目次
Q1:里親家庭が必要な理由は何ですか。
子どもたちが、健康に育っていくためには、特定の大人(養育者)との間で愛着関係(アタッチメント)を築くことが必要です。安心できる関係を築くことで、将来の自分が築く家庭のモデルケースを学ぶことができます。里親家庭は、乳児院や児童養護施設よりも安定した「愛着関係」を築くことができ、健やかな育ちに資するといわれています。
Q2:里親にはどんな種類がありますか。
里親には4種類あります。
①養育里親 子どもの性別や年齢に関係なく、子どもが家庭に戻るまでの間や18歳にて自立するまでの間養育します。(措置延長により20歳まで養育可能)
②専門里親 虐待、非行、障害などにより、専門的な支援が必要とする子どもを養育する里親です。(養育里親として3年以上の養育経験があり、専門里親研修を修了していること)委託児童は2人までです。
③養子縁組里親 養子縁組を希望する里親で、養子縁組が成立するまでの間養育します。
④親族里親 実親の死亡、行方不明、拘禁、入院等により、養育できない場合、二親等以内の扶養義務のある親族(兄弟や祖父母)が育てる里親です。
(おじ・おばは養育里親になります)
Q3:里親家庭とファミリーホームの違いはなんですか。
ファミリーホーム(小規模住居型児童養育施設)は、児童養護施設を小さくしたものではなく、里親家庭を少し大きくしたものです。里親家庭は、委託児は4人(実子含めて6人)までですが、ファミリーホームは6人まで委託可能です。ただし、養育する人は、補助者を含めて3人必要です。
Q4:週末里親(3日里親)や一時保護委託は何ですか。
週末里親は、施設で暮らす子どもたちの中で、週末や年末年始、夏休みなど長期休暇に親元に帰れない子どもたちを里親家庭に招き、家庭生活を体験してもらう制度です。一時保護委託は、緊急保護した子どもを一時的に里親家庭で預かる制度です。
Q5:里親は経済的に余裕のある人しかなれませんか。
生活に困窮していないことなどが要件ですが、裕福でなければいけないということはありません。子どもの養育に対する手当や一般生活費(食費や被服費)、教育費等が委託されている里親に支給されます。詳しくはQ13 をご覧ください。
Q6:単身者でもなれますか。
単身者だからといって、一律に里親になれないことはありません。子どもに適切な養育環境を提供できるかという観点で児童相談所が判断します。
Q7:同性同士で暮らしていてもなれますか。
同性同士だからといって、一律に里親になれないことはありません。子どもに適切な環境で穏やかに養育できるかという観点で児童相談所が判断します。
Q8:子育て経験がなくてもなれますか。
子育て経験がなくても里親になることはできます。ただし、登録前研修において、乳児院での実習研修が数日間あります。
Q9:年齢制限はありますか。
一律の年齢制限はありませんが、養育可能な年齢であるかを児童相談所にて判断します。当里親会は、30歳代から70歳代まで幅広い年代の里親が活躍しています。特別養子縁組里親には、年齢制限を設けている自治体もあります。
Q10:実子がいてもなれますか。
実子がいても里親になることは可能です。ただし、里子を迎え入れる前に必ず実子と充分話し合いを行い、理解と合意を得ることが必要です。また、里子に対して実子と同じ方法で養育すれば大丈夫だと思わないでください。個々の里子の育った環境により、思ったとおりに養育できない場合があります。
Q11:共働きでもなれますか。
子どもを健やかに育てることができるのであれば、共働きでも里親になれます。仕事中は保育園、幼稚園を利用することは可能です。
Q12:小さな子どもを自立まで養育できるか不安です。短期の制度はありませんか。
養育里親には、18歳の自立まで育てる長期養育と児童相談所の決定により「中学校卒業まで」というように期間を決めて預かる短期養育もあります。また、Q4の週末里親(3日里親)や一時保護委託を主にやる里親もいます。
※横須賀市には、「ボランティアファミリー」という制度があります。
Q13:養育に必要な費用は補助してくれますか。
子どもを育てるために必要な一般生活費(食費・被服費等)と教育費(教材費等)を国費と市費加算で補助しています。国の基準では、里親手当は9万円/月、一般生活費(乳児以外)は、約5万5千円/月です。受託開始時や入進学時、就職や自立生活開始時等で、特別加算や各種支度金が支給されます。
学校給食費、部活動費、学習塾費、見学旅行費など必要経費に関しては年度末に一括清算を行います。高校入学金、制服代等も清算対象です。
子どもの医療費等の負担はありません。
Q14:里親同士で悩み事を相談できる場はありますか。
「里親サロン」があり、養育に関する悩み事について里親間で相談し合う場になっています。里親相談員(ベテラン里親)により、定期的に里母サロンも開催されています。
Q15:一時的に子どもを見てくれる制度はありますか。
「レスパイト・ケア」といって、里親の一時的な休息のための公的な支援です。里親が冠婚葬祭で里子の面倒が見られない時や里親が旅行などで気分をリフレッシュさせたい時に利用します。利用料金は無料です。子どもは他の里親家庭や児童養護施設等に預け、個々のケースに応じて必要な日数を利用できます。
里親会会員であれば、個々の里親や里子を知っているので安心してレスパイトをお願いすることができます。
Q16:里親会は全国にどのくらいありますか。
都道府県と政令指定都市、中核市(62市中4市)、東京都特別区(8区)にある児童相談所(計234か所:R6.4.1現在)に原則1つずつ里親会が設置されています。神奈川県の場合は、政令指定都市(3市)と中核市(1市)の他に県の児童相談所が6か所設置されており、県里親会の他に個々に地域里親会があります。
Q17:里親会は何をしているのですか。
主に4つの事業を行っています。
1.里親同士の相談支援体制・仲間づくり
里親が里親会に期待する一番の支援は、里親同士の交流や仲間づくりを通して、養育の悩みを気軽に相談できる関係づくりです。「里親会で先輩里親に相談することが心の支えになった」との意見もあります。里親の一時的な休息である「レスパイト・ケア」(Q15参照)も気軽に頼むことができます。
2.里親向けの研修会・里親サロンの開催
当初は児童相談所が里親研修を主に実施していましたが、2000年頃から急増した虐待事案に多くの職員が対応することとなり、里親支援を児童相談所とともに里親会が担うことになりました。身近な問題を茶話会式で話し合う里親サロンも開催しています。
3.広報紙の作成と配布
私たちの里親会活動を記録することと多くの人に里親養育を知ってもらうため、年1回会報を作成し、地域の行政や関係機関、一般市民に配布しています。
4.里親制度の啓発
関係者や一般市民の方から要望があれば、里親制度や里親体験談をお話しています。幼児期の愛着形成など里親家庭での養育の重要性を説明し、理解していただいています。
Q18:里親会加入は強制ですか、任意ですか。
本市においては、里親会の加入は任意です。加入率100%の里親会も数か所あり、100%の自治体は、里親登録と里親会の加入がシステムとして結びついているようです。厚生労働省の「里親及びファミリーホーム養育指針(2012)」では、「すべての里親は里親会に参加する必要がある」と記されています。
Q19:里親会の会費はどのくらいですか。
各里親会により違いますが、平均的な会費は年5,000~6,000円程度です。会費は、里親会レクリェーションの費用や研修大会の参加諸費用等に使用されています。
Q20:里親制度や体験談を聞きたいのですが、関係団体やサークルの集まりに来て話をしてもらえますか。
可能です。里親制度や社会的養育の必要性を多くの人に知ってもらうことで、傷ついた子どもたちに安心と安全を与える里親家庭を増やしていきたいと思います。
Q21:里親制度についてもっと知りたい時はどうしたらよいですか。
・里親制度(募集から研修、認定、委託まで)については、下記の横須賀市児童相談所 里親担当にお問い合わせください。
・里親家庭の様子や里親会の活動については、横須賀市里親会事務局/児童養護施設 春光学園内里親担当(リンク集参照)にお問い合わせください。
*このQ&Aはこども家庭庁のホームページを参考に作成しました。
【 問い合わせ先 横須賀市児童相談所 里親担当】
・電話番号:046-820-2323 ファクス:046-826-4301
・メールアドレス cgcp-cfr@city.yokosuka.kanagawa.jp
・住所:〒238-8525 横須賀市小川町16番地はぐくみかん3階